「SOS子供の村」訪問
 

「SOS子供の村」とは戦災孤児や家庭で重度の虐待を受けた子供、親に様々な問題があり家庭に戻せない子供などを対象にした、純民間の国際的児童福祉団体です。1949年、チロル州・イムストの村に世界で初めて「SOS子供の村」が創設されて以来、現在では世界131ヶ国で439の村が運営されています。
 「SOS子供の村」のコンセプトは子供達に安心できる家族を与え、あらゆる悲しみから開放し、子供達の豊かな笑顔を取り戻すことです。
「SOS子供の村」のシステムは、マザー(代理母)、兄弟、家、村という、大きく分けてこの四つの要素で成り立っています。子供達は必ず代理母となるSOSマザーのもとで、平均六人程度の子供たちと兄弟となり共同生活します。ひとつの家族はそれぞれ一軒の家に住み、また、これらの家が平均10軒から15軒集まって、ひとつの村が成り立っています。各村には村の子供合唱団、サッカー場、教会、公園などがあり、村として立派に機能しています。
 世界中にある「SOS子供の村」の本部であるチロル州・イムストの「SOS子供の村」を訪れ、施設を視察、どのようなスタンスで取り組んでいるか見学し、責任者とのディベートなどを行います。教育の現場を見ることが出来るのはもちろん、このような国際的に成功している福祉団体の運営方法についての話も聞くことが出来ます

  学校訪問・教育問題
 

日本でも学校のあり方、教師と生徒のかかわり方が大きな問題として問われている昨今、オーストリアの学校でも様々な新しい試みがなされています。最近行われている例としては、学生の中の何人かがコミュニケート・パートナーとして生徒間のトラブルの仲介役や、学校生活での悩みなどの相談役になる、というシステムがあります。これはいかにもヨーロッパらしいシステムといえ、ヨーロッパの学校教育の中心は、子供たちの責任感を養い、個人としての自立を助けることにあります。グループ行動よりも個人が明確に自分の意見を持ち、いかに自分の意見を相手に伝え理解してもらうかということが基本になります。そのため教師と生徒の関係も日本のように一方的なものではなく、教師は生徒にとって教育者であり相談役でもある、兄や姉のような存在だといえます。また、オーストリアでは親が学校教育に口を挟むことはありません。教師は教育のプロであり、生徒の親の職業に教師が口を挟む権利がないのと同様に、生徒の親は学校の教育方針に口を挟まないのが当然となっています。
 チロルの小・中・高校を訪問し、日本とは全くスタイルが違うオーストリア式の教育を参観、現役の教師や生徒の親たちとディベートし、日本の教育のあり方を見直すと同時に、オーストリアの教育者たちの日本の教育に対する考え方を知ることが出来ます。

  高齢者福祉
 

インスブルック郊外に質の高い老人ホームなどがあり、高齢者が多く住む地域では現地のカトリック教会が中心となって、簡単なハイキング、国内及び外国旅行などの企画が行われています。そこでは、いかに年金生活を楽しむかに重点が置かれています。介護を必要とするようなお年寄りへのサービスはもちろん、健康で年金生活者となったお年寄りに対するサポートも充実しています。日本でも「生きがい支援」など、自治体単位でお年寄りが孤独にならない、内に閉じこもらないようなサービスを行っている地域も多くあります。しかし日本では、年金生活者になることがまだネガティブに捉えられているのではないでしょうか。オーストリアのお年寄りたちは年金生活者になることに対して、「仕事をやり遂げて、これからは自分の好きなことにだけに時間を使える」と、ポジティブに捉えている人が殆どです。この違いはどこから生まれてくるのでしょうか。
 実際に年金生活者となったお年寄りや老人ホームの責任者、自治体の福祉担当者などとディベートし、オーストリアの社会での年金生活者の社会での位置づけや、どのように扱われているかなどを知り、今後の高齢者福祉のあり方について考えます。

  スキー選手・トレーナー育成の視察
 

オーストリアのアルペンスキーは世界でもトップクラス。オーストリアの代表に入れれば世界のトップ10に入る、と言われるほど高いレベルを維持しています。また、アルペンスキーはオーストリア国内で最も人気のあるスポーツの一つ。スキー選手は日本で言えばプロ野球の選手ほどの人気があります。
 このような背景から、国をあげての国家スキー選手育成プログラムがあり、スキーの専門高校(専門高校とはいえスキーの技術を学ぶ以外に、一般の授業も受けます)などもあります。また、スキー選手の育成だけでなくトレーナーの育成にも力を入れており、トレーナーの国家資格もあります。取得するには自身に高いスキーの能力があることはもちろん、スキーやトレーニングの論理を学ぶことも必要になっています。このように、スキー選手だけでなくトレーナーの育成にも力を入れていることが、オーストリアのアルペンスキーの強さの秘訣の一つなのではないでしょうか。
 スキーの専門学校やトレーナー育成コースを訪れ、実際にどのようなトレーニングが行われているか視察します。また各担当者やトレーナーなどとディベートし、様々な問題や育成方法などについて話し合うことが出来ます。

  オーストリア料理研修
 

テレビ、雑誌、新聞など日本のさまざまなメディアに取り上げられた、日本人初のオーストリア国家公認料理マイスター、神田真吾氏。オーストリアの宮廷料理はもともと、ハプスブルク帝国時代にヨーロッパ各地の代表料理とそのレシピがオーストリアに集まり、チロル・アルプスの新鮮な食材をベースに貴族文化の中で宮廷料理として洗練され発展してきた料理です。神田氏のマイスター試験合格のニュースをきっかけに日本でも注目を集めつつあるこのオーストリア料理を、神田氏と同じライセンスを持つ料理マイスターから学ぶことが出来ます。