クリスマス・イヴとツリーの飾り物の秘密
 

クリスマス・イヴとツリーの飾り物の秘密
 チロルの家庭ではクリスマスツリーを飾るのはクリスマス・イヴの午後になってからというのが一般的で、ツリーの飾り物もチカチカと輝く豆電球ではなく、藁でできた星形やリンゴの飾り物、そしてお菓子などを吊るし比較的落ち着いた雰囲気のものが主流です。これら装飾品は美しい化粧箱に納められ、母から娘へと代々伝えられていくのですが、なぜリンゴやお菓子といった飾り物をイヴの日に飾るのでしょうか。

 クリスマスツリーに飾り物を吊るすという風習は、実はキリスト教のプロテスタント宗派から受け告げられたものです。16世紀、マルティン・ルターがクリスマス・イヴ礼拝の帰り道、森の中で常緑樹の合間に輝く無数の星を見て感激し、それを子供たちのために再現しようと家の中に木を持ち込み、火を灯したロウソクを枝にくくりつけたことがクリスマスツリーの発端と伝えられています。そしてクリスマスツリーとなる常緑樹(モミやヒイラギなど)は永遠の生命を、ロウソクの光はイエス・キリストを、星の飾り物は東方の博士たちにイエスの誕生を知らせたとされるベツレヘムの星を意味しています。
 また、クリスマスツリーを12月24日のイヴの日に飾るのにも興味深い意味があります。イエス・キリストがこの世に誕生した理由として、アダムとイヴが楽園で禁じられた知恵の果を食べたことが挙げられます。12月24日のクリスマス・イヴはアダムとイヴの日でもあり、ツリーは「エデンの園の木」を表しており、ツリーに飾られるリンゴは「禁じられた果実」の象徴となっています。そのため、12月25日に人々の罪を償うイエス・キリストが誕生したことによって、子供たちはツリーをゆすってリンゴやお菓子を落とし食べても構わないのです。

 日本では12月26日を過ぎるとクリスマスツリーの姿はなくなりますが、チロルでは年が明けてもクリスマスツリーやイルミネーションがそのまま残っており、1月6日の三聖王の祝日をもってクリスマスが終了します。