クリスマスの木彫り芸術クリッペ-Krippe
 

クリスマスの木彫り芸術クリッペ-Krippe

 クリスマスシーズンになると人々が好んで購入するのがこのクリッペと呼ばれるイエス・キリストの生まれた馬小屋の情景を木彫りや粘土などで模したものです。クリッペはクリスマスシーズンに教会や室内などに飾られる置物で、お人形サイズのものから等身大のクリッペまで様々な種類があります。このクリッペの起源は13~14世紀頃にクリスマス・ミサに行なわれていた「赤ん坊を抱く」という風習から来ています。イエスの誕生をより実感できるように、当時はキリストを抱く聖母マリアのように、シスターたちが赤ん坊を抱きながら次のシスターへと赤ん坊を手渡しました。そして16世紀になると本物の赤ん坊ではなく、初めて「クリッペル」と呼ばれる赤ん坊の形をした木彫り人形がこの風習に用いられるようになりました。17世紀~18世紀初頭になると、教会などで行なわたキリスト誕生を物語るクリスマス劇の影響も加わり、クリッペには次第に動きと表情が加わりました。そして動物、馬小屋、東方の博士などの木彫りもう登場し、今の形のクリッペとなっていきました。クリッペの制作には古くからチロル地方でよく見かけるシモフリ松の木が用いられています。このシモフリ松の木は柔らかいため彫りやすく、また香ばしい匂いを放つため害虫を寄せ付けないことで知られています。高級なシモフリ松を使ったクリッペは、始めは貴族や裕福な家庭しか手に入れることができなかったものの、その後シモフリ松が取れるチロルの渓谷では木彫りを冬の専門職とする芸術家が増えたため、クリッペは各家にも置かれるほど人気が高まって行きました。そして今ではクリッペはクリスマスには欠かすことのできない芸術品として各家に飾られ、愛されています。