アドヴェントの伝統的な過ごし方
 

アドヴェントの伝統的な過ごし方

 チロルではクリスマスの約一ヶ月前から、各地でクリスマスに向けて本格的な準備が始まります。この4週間を、イエス・キリストの誕生を待つという意味で、待降節Advent(アドヴェント)といい、宗教的に重要な期間です。このアドヴェント期間になると、各家にクリスマス・リースが飾られ、毎週日曜日に一本ずつリースに括りつけられたロウソクに火が灯され、家族で歌ったり、お祈りをしてクリスマスを待つのです。

Advent, Advent, ein Lichtlein brennt.
Erst eins, dann zwei, dann drei, dann vier,
dann steht das Christkind vor der Tuer.

訳:アドヴェント、アドヴェント、一つの小さな灯りが点っている。
  始めは1つ、それから2つ、そして3つ、最後に4つ、
  するとイエス・キリストはもうドアの前にいる。

 4週目になるとようやく4本のロウソク全てに火がつけられ、イエス・キリストの誕生を祝福します。このクリスマス・リースの伝統は家ではもちろん、学校や教会でも行なわれ、この時だけは子供たちが学校へのロウソクを持っていくことが許されます。アドヴェント期間はクリスマスを待ちわびるチロルの人々にとって、喜びと期待が徐々に高まる大変重要な時期です。クリスマス・リースのほかに、アドヴェント期間にはクリスマス・マーケットを始めとするクリスマス・イベントが盛りだくさんで、アドヴェンツ・カレンダーや美味しいクッキーの伝統など、楽しみ方は様々です。

  アドヴェンツカレンダー
 

アドヴェンツ・カレンダー

 12月に入り、イエス・キリストの誕生を心より待ちわびるアドヴェント期間に入ると、チロルの人々は通常のカレンダーの他に、アドヴェンツ・カレンダーというクリスマスシーズン特有のカレンダーを部屋に飾ります。このカレンダーには美しい風景や、サンタクロースの絵、最近ではモダンな写真などのものがあり、小さな数字が記されている24つの窓がついています。そして1日が過ぎるごとに1つの窓を開いていくと、窓の裏側には各カレンダーの趣向に合った様々な絵が描かれています。例えば、キリスト誕生を描いたカレンダーの場合、窓を開けるとその裏には星や月、動物、聖人、聖母マリア、三聖王、そして最後にイエス・キリストと徐々に絵が完成していきます。アドヴェンツ・カレンダーには色々な種類があり、クリスマス・イヴまでの24日間、各窓の後ろに小さなお菓子やチョコレートが隠されているものや、恋人や家族から贈られた手作りカレンダーには各窓の後ろに愛のメッセージが書かれているものもあります。12月1日から24日まで、子供から大人まで楽しめるパズル形式のアドヴェンツ・カレンダーには、毎日思いがけない小さなプレゼントが隠されています。24日間毎日ささやかな喜びが感じられるアドヴェンツ・カレンダーは、アドヴェント期間の欠かせないアイテムとして人々に愛されています。